如月の望月のころ

今日、年若き友人を見送ってきた。
3年間の闘病生活のすえ、逝ってしまった。

治療の痛みに耐えながら回復に向けて努力していた彼女。「もう休んでいいんだよ」と声をかけたけど、悔しかったと思う。本当に真面目に頑張っていたから。
穏やかで美しいお顔だったけど、ギリギリまで信じていただろう。戻れることを。

土曜の夜、亡くなったという報せを受けたとき、「あー」と声にならない声が出た。
少し覚悟していたんだろうね私。
ごめんね。貴女が回復を信じて努力していて、私も心から信じていたのに。信じていたはずなのに。
貴女の死を受け止めた。
ごめんね。本当に信じていたんだけどね。去年、一緒に温泉に行って、今年はディズニーランドに行こうって約束してて。

行けると思ってたよ。もっと他のところにも。
大笑いしながらカラオケして、最後にはワンワン泣いて。
またカラオケもできると思っていたよ。
今でも、、、できるような気がしているのもホント。冷たくなった貴女の頬に触れたけど、まだどこか信じられない。

いやいや
本当のことだってことはちゃんと分かってる。
受け止めてしまったもの。

ポッカリと西行の歌が頭に浮かんだ。

“願はくは花のもとにて 春死なむ その如月の望月のころ”

各地で桜が満開になり、空に大きな明るい月が浮かんでいる夜に、貴女は逝った。
いい日だったんじゃない?

せめてもの救いとして。

いい日だったんじゃないかなー。

これから先、満開の桜を見るときっと貴女を思い出すよ。

※2012年4月9日Facebookノートに掲載したものです

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ちょっちょです。
4人の子どもと4人の孫に恵まれましたが、パートナーはおりません。たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん楽しんで、たくさん悩んだ波瀾万丈な人生。まだまだ面白がろうと思っています。
私が感じていることが、どなたかの心に響けば幸せです。

※万覚帳(よろずおぼえちょう)とは、まだ余白がある帳面のことです。雑記帳、メモ帳