リュートとつむぐ歌と詩の世界4「歌のマルシェへようこそ」

繊細なリュートの響き

浜離宮朝日ホールでのコンサート「歌のマルシェへようこそ」に行ってきました。石丸幹二さんとリュート奏者つのだたかしさんの二人だけで奏でるメロディーは、いつも慈しみに満ちています。

つのだたかしさんは、MCの時は少しとぼけたオジサマになってしまうのですが、音楽を愛する気持ちがとても強い方。実のお兄さんが漫画家のつのだじろうさん、弟さんが歌手のつのだ☆ひろさんです(ミーハー情報)。

マルシェらしく

第一部は、リュートと歌、そして朗読。歌のマルシェと銘打っているだけあり、さまざまな趣向が盛り込まれていました。

『スカロボフェアー』『ダニーボーイ』が特に心に沁みました。朗読の『幸福の王子』はしみじみと、美しい情景が目の前に広がっていきます。日本語にこだわる幹二さんが発する言葉に奥行きを感じるのです。

チケットぴあの詳細に「語る歌、歌うリュート」とありましたが、まさにそんな感じでした。

リュートは、中世からバロック期にヨーロッパで愛された楽器で、琵琶に似ています。弦の数が多く、弾くというより“なでる”感じだとか。だから調べが繊細なんですね。

フェルメール『リュートを調弦する女』

シャンソンをゆったりと

第二部は、1800年代前半に作られたギターで、シャンソンと日本の歌を。

現代のギターのような調律が出来ないため、一曲ごとに丁寧にチューニングしなければなりません。まるで神聖な儀式のようでもありました。シューベルトの遺品にあったギターと同じ工房で作られたものだそうです。

しっとりとした演奏に心を寄り添わせているのに、曲のあいまのMCでは、幹二さんはわざとらしく鼻にかけて「シャンソォン」と繰り返し、笑いを取ります。それを黙って聞いていたつのちゃんが突然「チャンポンに似てるよね」って。

シャンソンとチャンポン、似てないですから……

くつろいだMCからガラリと雰囲気を変えられるのは、いつも凄いなと思います。
『行かないで』は、まるで一人芝居を観ているようで、涙がこみ上げてきました。感情というものは、爆発させるより抑えたほうがより深く届く。そんな風に思いました。

男性目線の訳詞による『愛の讃歌』は、これまでに幾度となく聞いてきた同曲のイメージを塗り替えるものでした。『灰色の瞳』のハーモニーも絶品で、このコンサートの音源が欲しいと切に思います。

 

武満徹の世界

お二人が大切にしているものに、武満徹さんの音楽があります。ちょっと難しい現代音楽のそれではなく、懐かしさのこもった童謡のような楽曲。

今日は『翼』を歌ってくれました。

CD聴きたい方がいたらお貸しします。すてきですよ。

ちょっちょ
席が1階11列11番。ちょっと珍しくないですか?
浜離宮アフタヌーンコンサート
リュートとつむぐ歌と詩の世界4
「歌のマルシェへようこそ」

日程:2018年8月27日(月)
会場:浜離宮朝日ホール
出演者:石丸幹二(歌/朗読)、
つのだたかし(リュート/ギター)

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ちょっちょです。
4人の子どもと4人の孫に恵まれましたが、パートナーはおりません。たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん楽しんで、たくさん悩んだ波瀾万丈な人生。まだまだ面白がろうと思っています。
私が感じていることが、どなたかの心に響けば幸せです。

※万覚帳(よろずおぼえちょう)とは、まだ余白がある帳面のことです。雑記帳、メモ帳