【く】くるみと紅天女と串田和美

思い出の花のワルツ

好物のナッツの中でも、特に好きなものがくるみである。大きなパックで買い込んで、少しずつ食べるのを楽しみにしている。

バレエの中で特に好きなのはチャイコフスキーの『くるみ割り人形』。クリスマスの夜、主人公の女の子クララが体験する不思議な物語だ。第2幕のおとぎの国の世界中の踊りと花のワルツが私のお気に入り。かなり昔に観た草刈民代さんの金平糖の精はオーラが輝いていて、口をポカンと開けて見入ってしまったことを覚えている。

先日、バレエの発表会を観せてもらう機会があった。私が応援している女の子は花のワルツをとても楽しそうに踊っていた。バレエが好きで練習を重ねてきたのだろう。丁寧で動きもなめらかだった。

我が家の長女は12年、二女は6年ほどバレエを習っていたので、発表会の小品として『くるみ割り人形』の曲を何度か踊らせてもらっている。目の前の舞台と重なって、ちょっとまぶたが熱くなった。

子どもを応援していた時が、私の一番輝いていた時代なのかもしれない。ふと、そんな風に思った。

娘たちの発表会に客演してくださったスターダンサーズ・バレエ団(当時)のプリンシパル李波さんと

紫のバラの人になる

いまだ連載が終わらない『ガラスの仮面』も、壮大な応援物語といえるかもしれない。

私が高校時代に連載を開始したこの漫画は、『紅天女』という名作を演じるために切磋琢磨する少女二人の熱い演劇愛と葛藤を描いている。

私たち読者は、『紅天女』を目指す過程だけでなく、登場人物たちによる劇中劇で演劇の面白さや奥深さ、舞台裏などを知り、どんどん夢中になっていった。そして、いつのまにか応援している自分に気づく。

マヤ、がんばれ!

亜弓さん、がんばれ!

真澄さま、がんばれ!!  と。

いまや、作者の美内すずえ先生のことも、心から応援している(最終回は来るのだろうか…)。

『ガラスの仮面』大好きで、カルタも持っています

速水真澄は、マヤの最強の応援団。一生変わらないでしょう。

顔出しパネルシリーズ。左から北島マヤ、姫川亜弓、月影千草

大人のおとぎ話を創る人

心から応援している石丸幹二さんの『空中キャバレー』を観に行ったときに、演出家であり俳優である串田和美(くしだかずよし)さんを知った。既に70を超えているのに誰よりもみずみずしく、誰よりも楽しそうだった。

劇団『自由劇場』を立ち上げ、『上海バンスキング』という大ヒット作を生み、渋谷シアターコクーンの初代芸術監督である串田さん。この方を知らないなんて、演劇好きとしては不勉強このうえないが、まあ知らなかったことは仕方ない。現在はまつもと市民芸術館の芸術監督である。お父様は詩人の串田孫一さん。

この出会い以降、私が好きな作品のトップ10に串田作品が3つ入ることになる。『空中キャバレー』『もっと泣いてよフラッパー』『兵士の物語』。どの作品も自由で、深くて、愛があふれている。

2018年秋、4年ぶりの再演となった『兵士の物語』を観ることができ、幸せだなと思った。

悪魔が伝えるこの世の真実 『兵士の物語』

2018.09.22

先ほど、“子どもを応援していた時が私の一番輝いていた時代”と書いたが、そんなことはないな。

いつでも今が、一番輝いている(と思いたい)。

冊子『幕があがる』より2013年の作品の写真。上は私も映っています

ちょっちょ
本人たちに持たせているので、私の手元には娘のバレエの写真がありません。今度遊びに行って見せてもらおうっと。

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ちょっちょです。
4人の子どもと4人の孫に恵まれましたが、パートナーはおりません。たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん楽しんで、たくさん悩んだ波瀾万丈な人生。まだまだ面白がろうと思っています。
私が感じていることが、どなたかの心に響けば幸せです。

※万覚帳(よろずおぼえちょう)とは、まだ余白がある帳面のことです。雑記帳、メモ帳