【す】滑り台とすずかけ通りとスカーレット・オハラ

百観音の滑り台

よく外出するため、アウトドア好きと思われることが多いが、大いなる勘違いである。幼少期からほぼ室内で過ごしており、外遊びは月に数回程度であった。

遊びに行くのはたいてい百観音公園。我が家と番地が一緒、目と鼻の先にあるお寺のお庭で、遊具はジャングルジムとブランコに砂場、そして大きな石造りの滑り台がある。

初めて遊びに来た同級生は、長く急な斜面を見てビビリ、恐る恐るチャレンジし、その刺激に夢中になり、繰り返し遊ぶうちにスカートが擦り切れるという事態になる。何しろ石だからね。

一昨年、テレビの地域散歩番組で取り上げられた際に、この滑り台は鐘楼であったことを知った。

すごく身近なものでも、知らないことがあるってことを知る。

二階建ての屋根より少し低いくらい?
今年の4月に撮影

神田川からタクシーに乗って

小学4年から自分の部屋を持てるようになった。

小さな家をアパート仕様にして間貸ししていたのだが、さすがに三畳一間は借り手がつかなくなったらしい。小さな水道と一口コンロが置けるスペース、トイレは共同、風呂はなし。まさに、かぐや姫が歌う『神田川』の世界である。

借りる人がいないなら仕方ないと、母が覚悟を決めて三畳一間を私に払い下げた。だからといって何が変わるわけでもなく、ひたすら本ばかり読んでいた。多くの作品を読むよりは、気に入った本を何十回も繰り返すタイプ。主人公たちに苦労を救ってもらってきたようなものだった。

あまんきみこさんの『車のいろは空のいろ』も、何度も読んだ本の一つだ。谷山浩子さんが歌ったこともあり、高校生になってもまだ開くことがあった。
「白いぼうし」は教科書に載ったので覚えている人も多いかもしれない。タクシー運転手の松井さんと夏みかんとモンシロチョウ。

私は今でも、戦争にまつわる話を耳にしたときに、「すずかけ通り三丁目までいってください」という言葉をふと思い出す。

今でも松井さんのタクシーは走っているだろうか

明日という日がある

お気に入りの作品は、ほぼ登場人物もお気に入りだと言ってよいだろう。ところが『風と共に去りぬ』だけは、接する年代によって、気になる対象が変わっていった。

最初に小説で読んだころは、私はメラニーのような女性になりたいと願っていた。自分自身が勝気な性格なだけに “守られる” ことが憧れだった。
男性の好みはもちろんアシュリーだが、映画は知性的というより軟弱なイメージで少し残念だった。

一方、映画でこそ魅力的なのがレット・バトラーで、パワフルでセクシーで一途である。この情熱を向けられる相手としてスカーレットを見ていると、だんだんメラニーはつまらなく思えてくる。片眉をあげるビビアン・リーの高慢さを愛しく感じるようになったのは、結婚後のことだった気がする。

ラストシーンのスカーレット・オハラは、とにかく凛としていた。レットに扉を完全に閉ざされても、その視線は前へ向いていた。

After all, tomorrow is another day.

明日という日はある。

あなたにも。
私にも。

そう考えないと眠れないではないか。

『死ぬまでに観たい映画1001本』という
二男の本をこっそり借用…

 

ちょっちょ
脳内音楽がいくつも入れ替わり、今は「タラのテーマ」が流れています

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ちょっちょです。
4人の子どもと4人の孫に恵まれましたが、パートナーはおりません。たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん楽しんで、たくさん悩んだ波瀾万丈な人生。まだまだ面白がろうと思っています。
私が感じていることが、どなたかの心に響けば幸せです。

※万覚帳(よろずおぼえちょう)とは、まだ余白がある帳面のことです。雑記帳、メモ帳