お越しくださいませ
私の住む川越は、ちょくちょくテレビでも取り上げられる観光地。江戸時代に親藩・譜代の川越藩の城下町として栄えたことから「小江戸」の愛称で親しまれている。戦災や震災から免れた街並みは、今でも江戸の風情が残る貴重なものだ。
芸術的な鳥除けが引き立つ空の広い蔵の街や、手作りにこだわる老舗と目新しい店が共存する菓子屋横丁などなど、案内したいところはあちこちある。春は花筏の美しい新河岸川も枝垂れ桜の中院も見てほしいし、秋は喜多院の庭を一緒にボーッと眺めたいものだ。
名物の双璧は、鰻とサツマイモだろう。江戸と水路で結ばれていた川越は、質の良いサツマイモの一大産地として名を馳せたそうだ。サツマイモを扱った店はとても多い。
食べ歩きでは、右門のいも恋や翠扇亭の芋太郎が美味しい。最近はおさつ庵のおさつチップスが大人気で行列が出来ている。私は平木屋のつぼやきも好きだ。焼きあがるまでのオジサンとのお喋りも楽しい。
美しくて美味しい川越へ、ぜひお運びを。面白いものが見つかるかも。
キラキラだのワクワクだの
12月になると、私は街歩きが多くなる。クリスマスイルミネーションを求めて彷徨うのだ。
アドベントカレンダーを気取って毎日クリスマスネタをFacebookに投稿し始めたのが2012年冬。小物なども撮っていたのだが、友人が楽しんでくれるのが嬉しくて、だんだんイルミネーションの割合が高くなっていった。
もともと高層ビルから見下ろす夜景が大好きで、キラキラの粒々を見ているとワクワクしてたまらなかった。人が生み出す灯りは、人々がそこで生きている証明に思えて、私に元気を与えてくれるのだ。(照明の証明?)
そのうえ、イルミネーションときたら、ほんとにもう、凄い。
美しさに感動するのはもちろんだが、企画と実現性と運営力に心から感心する。資金と、継続するエネルギーもかなりのものだと思う。大規模なものも、ささやかなものも、「見に来てほしい」「見た人に幸せな気持ちになってほしい」「一緒にクリスマスを祝いましょう」などなどのメッセージが詰まっていると感じるのだ。
キラキラだの、ワクワクだの、ドキドキだの、ウキウキだの、るんるんだの、見ている間はずっと心が興奮し続けている。
そして、最寄り駅からの帰り道に、今日のこのイルミネーションを見る時間を持てたことへの感謝をお月さまに伝えると、私の心は落ち着くのである。
そらはさびしい
何歳くらいのことだったか、すっかり忘れてしまったが、家に帰ると繰り返し繰り返し八木重吉さんの詩ばかり読んでいたことがある。
むずかしい言葉はなく、短くまとまった詩は、私の心を落ち着かせたり、泡立たせたりした。
ぶくぶくと
沸いてくる泡を持て余しては、
持て余している自分を
面白がっていた。
雲
くものある日
くもは かなしい
くもの ない日
そらは さびしい八木重吉『秋の瞳』より
花がふってくると思う
花がふってくると思う
花がふってくるとおもう
この てのひらにうけとろうとおもう八木重吉『貧しき信徒』より
